後見業務の中で「転ばぬ先の杖」と言えば任意後見を表します。将来的に判断能力が落ちた時、生活や財産管理を手助けしてくれる人を判断能力があるうちに決めておき、その人と契約しておく制度です。契約の段階ではまだ任意後見受任者なので、家庭裁判所に任意後見監督人を選任してもらって初めて契約が発効します。
エアポケット問題とは現在判断能力が低下しているにも関わらずあえて、家庭裁判所に任意後見監督人を申し立てないことです。というのも任意後見受任者の段階ではあくまで私人間の委任関係に過ぎず、官によるチェック機能が働きません。つまりある程度の裁量が許されているので多少なりとも横領の問題が発生しやすくなります。
コスモスの会員は受任者の段階でも本部への報告義務はありますが横領などが100%防げると言うものでもありません(どんなにルールが厳しくてもそのルールを破る人が確実にいるものです)。
少しでもそういうことを起こさないためにも、契約まで出来るだけ何度も会うことが重要だと思います。そういう意味でも任意後見はお互いの信頼関係が大前提です。