外国人雇用に関する相談の中で、時々耳にするのが
「在留資格の名義貸し」という言葉です。
しかし、
- 何が名義貸しなのか
- どこからが違法なのか
について正確に理解されていないケースも多いのが実情です。
この記事では、行政書士の視点から在留資格の名義貸しとは何か、違法になるケースや注意点を解説します。
在留資格の名義貸しとは
在留資格の名義貸しとは、簡単に言うと
実際には働いていない会社や団体の名義を使って在留資格を取得・維持する行為
を指します。
例えば次のようなケースです。
例
- A社で働く予定として在留資格を取得
- 実際には別の会社で働く
または
- 在留資格を取るためだけに会社名義を使う
- 実際には働く予定がない
このような場合、在留資格制度の趣旨に反する行為と判断される可能性があります。
なぜ名義貸しが問題になるのか
日本の在留資格制度では、
「どの会社で、どのような仕事をするか」
という前提で在留資格が許可されます。
つまり、
- 雇用する会社
- 業務内容
は審査の重要なポイントです。
そのため、実態と異なる内容で在留資格を取得した場合、
- 虚偽申請
- 不正取得
とみなされる可能性があります。
名義貸しが疑われるケース
入管実務では、次のようなケースで名義貸しが疑われることがあります。
①実際に勤務していない
在留資格の申請ではA社で働くと説明しているにもかかわらず、
- 実際には出勤していない
- 給与が支払われていない
場合などです。
②別の会社で働いている
例えば
- A社で在留資格取得
- 実際はB社で勤務
この場合、原則として問題となる可能性があります。
※ただし在留資格の種類によっては転職が可能な場合もあります。
③実態のない会社
在留資格申請のためだけに
- 会社を作る
- 店舗を作る
といったケースも問題になります。
入管では
- 事業の実態
- 売上
- 従業員
などを確認することがあります。
名義貸しが発覚するとどうなる?
在留資格の名義貸しが発覚した場合、外国人本人だけでなく、企業側にも影響が出る可能性があります。
考えられる措置としては
外国人本人
- 在留資格の取消
- 在留資格更新の不許可
- 退去強制
企業側
- 不法就労助長罪
- 入管からの指導
などが考えられます。
在留資格制度では「実態」が重要
入管審査では、書類だけでなく
「実際にその仕事が行われているか」
という実態が重視されます。
例えば
- 実際に働いているか
- 給与が支払われているか
- 会社の事業が実在するか
といった点です。
そのため、形式的に条件を整えるだけでは不十分です。特に最近の入管の審査は厳格ですので申請はぜひお気を付けください。