登録支援機関が増え、競争が激しくなっている
特定技能制度の普及に伴い、全国で登録支援機関の数が増加しています。当事務所にも登録支援機関の新規申請について問い合わせが増えています。
滋賀県でも多くの登録支援機関が存在しており、外国人材を受け入れる企業にとっては、「どの登録支援機関に依頼すればよいのか」が分かりにくい状況になっています。
実際、滋賀県内の登録支援機関を掲載する複数の民間データベースでは、100を超える機関が確認できます。
登録支援機関の役割は、特定技能外国人に対する生活オリエンテーション、相談・苦情への対応、定期的な面談など、法律で定められた支援を適切に行うことです。
しかし、登録支援機関が増えた現在では、「支援業務を行える」というだけでは、今後選ばれ続けることが難しくなる可能性があります。
では、これから企業から選ばれる登録支援機関には、どのような特徴があるのでしょうか。
これからは「特定技能だけ」に強いだけでは足りない?
登録支援機関の大きな役割は、特定技能外国人の受入れ後の支援です。
しかし、企業が外国人を雇用する際に発生する問題は、特定技能だけに限りません。
例えば、
- 特定技能外国人の受入れ
- 技能実習から特定技能への変更
- 技術・人文知識・国際業務への変更
- 家族滞在
- 永住許可
- 在留期間更新
- 転職・所属機関変更
- 雇用契約や労働条件の確認
- 不法就労・資格外活動などのリスク管理
- 外国人社員の生活相談
- 退職・帰国時の対応
など、外国人を雇用する企業が抱える課題は非常に幅広いものです。
そのため、今後は「特定技能の支援だけを行う登録支援機関」ではなく、外国人雇用全体を見渡せる体制を持った登録支援機関が、企業から選ばれやすくなると考えられます。
滋賀県で今後重要になる「地元密着型」の登録支援機関
特に滋賀県のような地域では、地元企業との距離の近さが大きな強みになります。
外国人材の問題は、オンラインや電話だけで完結するとは限りません。
例えば、
「外国人社員が会社に来なくなった」
「本人と連絡が取れない」
「会社と外国人との間でトラブルが発生した」
「生活面で困っている」
「在留資格の更新時期が近づいている」
といった問題が発生した場合、企業としては「すぐに相談できる相手」がいることが重要です。
滋賀県内に拠点を置き、大津・草津・守山・栗東・近江八幡・東近江・彦根・長浜などの企業を実際に訪問できる登録支援機関には、こうした場面で大きなメリットがあります。
「全国対応」だけを強みにするのではなく、「滋賀県の企業をよく知っている」という地域密着性も、今後の重要な差別化ポイントになるでしょう。
「登録支援+行政書士」の連携が重要になる理由
今後、特に重要になると考えられるのが、登録支援機関と行政書士などの専門家との連携です。
登録支援機関は、外国人の生活支援や相談対応について重要な役割を担っています。
一方で、在留資格に関する問題については、専門的な判断が必要になるケースがあります。
例えば、
「この外国人は技人国に変更できるのか?」
「現在の仕事内容で今の在留資格を更新できるのか?」
「特定技能から技人国へ変更することはできるのか?」
「家族を呼び寄せることができるのか?」
「永住許可の要件を満たしているのか?」
といった問題です。
このようなケースで、登録支援機関だけで判断するのではなく、在留資格に詳しい行政書士と迅速に連携できる体制があれば、企業にとって大きな安心材料になります。
行政書士は、行政書士法上、官公署に提出する書類の作成や、その相談等を業務として行う専門家です。
そのため、登録支援機関と行政書士が適切に役割分担することで、
「生活支援」+「在留資格」+「外国人雇用のコンプライアンス」
という、より包括的なサポート体制を構築できます。
「技人国」にも対応できる登録支援機関が強い
今後、特に注目したいのが「技術・人文知識・国際業務」、いわゆる「技人国」です。
企業が外国人材を採用する場合、すべての外国人が特定技能になるわけではありません。
例えば、
- 通訳・翻訳
- 海外営業
- 貿易事務
- 技術職
- CAD
- システムエンジニア
- ホテルのフロント業務
- 海外マーケティング
- 人事・総務など
専門的な知識や外国人特有の能力を活用する仕事では、技人国が関係してきます。
したがって、
「特定技能の外国人については支援できます」
だけではなく、
「特定技能なのか、技人国なのか、その他の在留資格なのかを含めて外国人雇用を考えられる」
という体制を持つことが、企業にとって大きなメリットになります。
これから重要になる「コンプライアンス」
外国人雇用では、単に在留資格を取得すれば終わりというわけではありません。
企業側には、適切な雇用管理や在留資格に応じた業務内容の確認など、さまざまな注意点があります。
また、特定技能については、受入れ企業にも一定の基準や届出等が求められています。登録支援機関についても、外国人への支援を適切に実施することや、出入国在留管理庁への届出などが義務付けられています。
さらに、2025年4月からは、特定技能所属機関が地方公共団体の共生施策への協力を求められた場合の対応や、支援計画に地方公共団体の共生施策を踏まえることなども制度上求められるようになっています。
例えば草津市も、特定技能所属機関向けにこの制度改正について案内しています。
今後は、
「外国人を採用できればいい」
ではなく、
「採用後も法令を守りながら適切に雇用し続けられる体制を作る」
という考え方が重要になります。
これから選ばれる登録支援機関5つの条件
今後、企業から選ばれる登録支援機関には、次のような特徴があると考えられます。
① 滋賀県の企業に密着している
単に「全国対応」ではなく、滋賀県内の企業を実際に訪問し、外国人社員の状況を把握できること。
② 特定技能以外の在留資格にも詳しい
特定技能だけでなく、技人国、家族滞在、永住、定住者など、外国人のキャリア全体を考えられること。
③ 行政書士などの専門家と連携している
在留資格変更・更新・永住など、専門的な判断が必要な問題について、適切な専門家へ迅速につなげられること。
④ コンプライアンスを重視している
「何とか許可を取る」という発想ではなく、雇用契約、業務内容、給与、在留資格、届出、支援体制などを総合的に確認すること。
⑤ 外国人と企業の双方を支援できる
外国人だけを支援するのではなく、受入企業に対しても「外国人雇用の相談窓口」として機能すること。
「安い登録支援機関」から「安心できる登録支援機関」へ
登録支援機関が増えれば、当然ながら料金競争も発生します。
しかし、企業にとって本当に重要なのは、月額費用が数千円安いことだけではありません。
外国人社員に関するトラブルが発生したとき、
「誰に相談すればいいのか分からない」
「在留資格について判断できない」
「行政書士に相談した方がいいのか分からない」
という状態になることの方が大きなリスクになります。
だからこそ、これからの登録支援機関には、
「安く支援する会社」ではなく、「外国人雇用のリスクを減らしてくれる会社」
という役割が求められるのではないでしょうか。
滋賀県で登録支援機関を選ぶなら
滋賀県で登録支援機関を選ぶ企業は、単純に料金だけを比較するのではなく、次の点を確認することをおすすめします。
- 滋賀県内で実際に対応できるか
- 担当者と直接連絡が取れるか
- 外国人本人の相談に対応できるか
- 対応可能な言語は何か
- 特定技能以外の在留資格について相談できるか
- 行政書士などの専門家と連携しているか
- 在留資格の更新・変更について適切な専門家につなげてもらえるか
- 労働・在留資格・生活面の問題を総合的に考えてくれるか
- トラブル発生時の対応体制があるか
- 法令遵守を重視しているか