去年の情報になりますが、今後の見通しと今すぐすべき対策
現在、日本に在留する外国人の皆様や、外国人雇用を行う企業の皆様にとって見逃せない大きな動きが出ています。政府は、外国人の在留手続きに関わる手数料を大幅に引き上げ、さらに帰化(日本国籍取得)の要件を厳しくする検討に入りました。
本記事では、この最新ニュースの内容と、今後予想される事態、そして今から準備すべき対策について、行政書士の視点から詳しく解説します。
1. 報道の概要:手数料の「大幅値上げ」と「要件の厳格化」
政府が自民党に示した案によると、これまで割安だった日本の在留手数料を、欧米主要国並みに引き上げる方針です。
主な変更案の内容
- 永住許可の手数料: 現行の1万円から、「上限30万円」へ引き上げを検討。
- 在留資格の変更・更新: 現行の約6,000円から、「上限10万円」へ引き上げを検討。
- 帰化(日本国籍取得)の要件: 現在「5年以上」となっている居住要件を、永住許可(原則10年)と同等以上に引き延ばす検討。
- 医療費不払いへの対応: 1万円以上の医療費不払いがある場合、入国を厳格化する案も浮上しています。
政府は、在留外国人の急増に伴う業務負担増に対応するための人員確保やシステム整備が必要であるとして、これらの大幅な見直しを目指しています。
2. 行政書士が予測する「今後起こりうる事態」
これらの法改正や政令指定が現実のものとなった場合、以下のような事態が予想されます。
① 改正直前の「駆け込み申請」の急増
手数料が30倍(1万円→30万円)になる前に、現在要件を満たしている方が一斉に申請を行うことが予想されます。これにより、出入国在留管理局の審査時間が通常よりも大幅に長くなる可能性があります。
② 申請失敗時の金銭的リスクの増大
これまでは不許可になっても金銭的なダメージ(印紙代)は少額でした。しかし、手数料が10万円〜30万円となれば、一度のミスが大きな経済的損失に直結します。これまで以上に「一発で許可を取る」ための精度が求められるようになります。
③ 帰化申請のハードルが大幅に上昇
現在、帰化は「5年以上」の在留で申請可能ですが、これが永住と同じ「10年以上」などに延長されれば、日本国籍取得を希望する方にとっての待機期間が倍増します。
3. 今から検討すべき「3つの対策案」
行政書士の観点から、在留外国人の方々が今すぐ取るべき対策を提案します。
対策1:要件を満たしているなら「今すぐ」申請の準備を
永住許可や帰化の申請を検討しており、現在の要件(在留期間など)を満たしている場合は、法改正が行われる前に早急に申請準備を進めるべきです。手数料が上がる前、かつ要件が厳しくなる前の「今」が最大のチャンスと言えます。
対策2:公的義務(納税・社会保険・医療費)の徹底
今回の見直し案には、医療費の不払いに対する厳しい姿勢も含まれています。今後、永住や帰化の審査において、税金や年金だけでなく、医療費の支払い状況などの「公的義務の履行」がより厳格にチェックされることは間違いありません。未納がある場合は、速やかに解消しておく必要があります。
3. 専門家による「書類の精度」の確保
手数料が高額化するということは、審査側(入管)もより厳密な審査体制を整えることを意味します。自己申請での書類の不備や説明不足による不許可のリスクを避けるため、確実性の高い書類作成を行うことが、結果としてコストを抑えることにつながります。
:早めの情報収集と行動が鍵
永住許可手数料の「上限30万円」や帰化要件の厳格化は、まだ検討段階ではありますが、政府が法改正を視野に議論を進めていることは事実です。
「いつか申請しよう」と考えていた方は、その「いつか」が来た時にはハードルが非常に高くなっている可能性があります。最新のニュースを注視し、信頼できる行政書士などの専門家に相談しながら、早めに対策を講じることをお勧めします。