政府は、2027年度以降、出入国在留管理庁(入管)の職員を約200人増員する方針を明らかにしました。今回の増員は、在留外国人の増加に対応し、不法就労・不法滞在への対策を強化するとともに、在留資格審査の迅速化を図ることが目的です。
外国人を雇用している企業や、これから特定技能外国人の受入れを検討している事業者にとっても、注目すべきニュースといえるでしょう。
なぜ職員を増員するのか?
近年、日本では外国人労働者や在留外国人が増加しています。
その一方で、
- 不法就労
- 不法残留(オーバーステイ)
- 在留資格に適合しない就労
への対応も重要な課題となっています。
政府は、**入国警備官(摘発・送還を担当)と入国審査官(在留審査や違反審査を担当)**の双方を増員し、取締りの強化と審査の迅速化を進める方針です。
不法残留者は依然として約6万8千人
出入国在留管理庁によると、2026年1月1日現在の不法残留者数は68,488人です。
前年の74,863人から6,375人(約8.5%)減少したものの、依然として多くの不法残留者がいる状況です。
政府は、この状況を踏まえ、摘発体制の強化を進めるとしています。
不法就労者も依然として多い
出入国在留管理庁が公表した「令和7年における入管法違反事件」によると、退去強制手続きの対象となった外国人のうち、13,435人(72.9%)に不法就労の事実が認められました。
これは、不法就労対策が今後も重点的に行われることを示しています。
企業が注意すべきポイント
今回の増員により、外国人を雇用する企業には、これまで以上に適正な雇用管理が求められます。
特に次の点を確認しましょう。
- 在留カードの有効期限を確認する
- 在留資格で認められた業務内容か確認する
- 就労時間や業務内容が資格外活動に該当しないか確認する
- 在留資格の更新・変更期限を管理する
- 雇用時・離職時のハローワークへの届出を適切に行う
「知らなかった」「本人が大丈夫と言っていた」という理由では、不法就労助長罪の責任を免れることはできません。
特定技能の受入企業も例外ではありません
特定技能制度では、受入企業に対して適正な支援や法令遵守が求められています。
例えば、
- 実際の業務が特定技能の業務区分に合っているか
- 労働条件が雇用契約どおりか
- 支援計画が適切に実施されているか
なども確認対象となる可能性があります。
制度を正しく運用することが、企業のリスク回避につながります。
入管職員の増員は、不法就労の取締り強化だけでなく、在留資格審査の迅速化も目的とされています。一方で、外国人雇用を行う企業には、これまで以上にコンプライアンスが求められることになります。コンプライアンスの強化は死活問題といえます。